ブレーキのない競技用自転車ピストが日本で流行。道路交通法違反で罰金の対象になるケースも
自転車愛好者が増加しています。それは、結構なことですが、一部のマニアの中には公道では乗ってはいけない「道路交通違反」となるような自転車に改造する悪質なケースが見られます。
ピストと呼ばれるブレーキなしの競技用自転車がまさにそれです。
ピストは危険。道路交通法違反の対象に!さらに罰金も!!
アメリカの若者を中心に海外で流行したピスト。
ピストは、ブレーキが備わっていない競技用の自転車で、主に競輪などの競技に使われています。そのピストが、2012年を境目に、国内でも流行。現在でも国内の若者が多く使用し、街中で見かける機会も増えてきました。
ピストの原理は、通常の自転車とは異なり、“ペダルを踏む”ことでブレーキの働きをします。こういったタイプの自転車(ピスト)は道路交通法違反の対象になり、状況に応じて罰金が科せられることがあります。
その理由として、“前後輪のブレーキが備わっていない自転車”は公道を走ってはいけない規則となっているからです。公道を走った場合には5万円以下の罰金となります。
しかし、販売する側を取り締まる法律はなく、実際には誰でも購入することが可能なのです。現実問題として、走行しているピストを警察が現行犯で指摘するのが精いっぱいです。
毎日新聞2013年1月12日の記事によると、2010年に661件、2011年は1023件のピストが道路交通法違反で処罰されています。しかし、これはごく一部の例で、町中にはもっと多くのピストが走っているのは間違いありません。
新しく改正された道路交通法。販売者に対する規制は?
ピストを愛用している者の中には、
「足を止めれば車輪の回転も止まる。乗り方次第では安全」
「普通の自転車と同じようにブレーキが付いたピストもある」
「ピストバイク=ノーブレーキで危険という印象を植え付けないでほしい」
といった意見があります。
ですが、結局はブレーキを取り外すものがいたり、公道で無茶な走行をする者がいるなどして、ピストバイクを肯定する声は一部の利用者だけです。
ついには、販売者を規制する法令も出されました。ブレーキが備わっていないピストの取り締まりをさらに強化するためで、“道路交通法に違反する自転車”は販売してはならないとの内容です。
「では、ブレーキ付きのピストなら販売してもOKか?」
これについては違反になりません。販売できます。簡単に取り外しできるのに・・・。
法令の“ゆるい部分”を証明するかのような詰めの甘いルールです。
もっと厳しく取り締まってほしいという意見が多いようです。
また、この販売における法令は全国的な規制ではなく、東京都のみに適用されるルールなのです。自治体ごとに違うんですね・・・
一刻も早い段階で“国の法令”として取り締まりが強化されることを願うばかりです。
ただし、ピストの乗車における規制は道路交通法に該当しますので、“乗車した時点”で処罰の対象となります。
東京都条例 第23条 違法な利用となる自転車の販売等の禁止
自転車小売業者は、自転車の利用が道路交通法そのほか自転車の交通又は安全性に関する法令の規定に違反することと知りながら、その自転車を販売してはならない。
自転車の乗車に関する道路交通法
- 道路交通法規則 第9条の3
「ピスト」、「フィクシー」と呼ばれるブレーキ装置を備えない前輪又は後輪のみにブレーキ装置を備える自転車やブレーキ装置が壊れたままになっているブレーキ装置は備えているが、制動効果が不十分など整備不良となる自転車で公道を走行することは・・・道路交通法(同法第63条の9第1項、同法施行規則第9条の3)違反(5万円以下の罰金)となる危険な行為です。
賛否両論のピスト
チュートリアルの福田充徳が摘発されたことで一躍話題になった「ノーブレーキピスト」。もちろん、ノーブレーキもしくは片輪ブレーキだけで走行することは大変危険な違法行為であり、そこについては議論の余地もない。ただ、各メディアの報じ方にどうにも違和感があった。端的にいうと杜撰。というかわかってない。ピストとロードレーサーの区別すらもついていない記事が多すぎなのだ・・・
誤解だらけの「ブレーキなしスポーツ自転車=ピスト」報道に物申す!日刊SPA!
いずれにしても“モラル”の問題
「誰にも迷惑をかけない」
「ほかにも乗っている人がいる」
「危険だ、違反だの、そんなに騒ぐことでもない」
本当に、そう断言できるでしょうか?ピストによる死亡事故が国内で多発している現状をご存知でしょうか。
ピストに限らず、すべての自転車において自動車やバイクと同様にルールを守る義務があります。他人に迷惑をかけない、安全な運転を心がけるなど常識ですね。危険性が指摘されるピストとなればなおさらです。
「もしも、あなたがピストで他人に損害を加えたら・・・」「万が一、事故により死亡者を出してしまったら・・・」
決して、軽視できる問題でないことは理解いただけるはずです。当然ながら「走る場所」や「管理方法」など多くのルールを守る義務があります。道路交通法や規制といった法律で取り締まられているからではなく、人としてのモラルと責任感が前提になります。
自転車事故が増えている昨今です。ピストだけではなく、すべての自転車に乗る人が乗車マナーは考えて欲しい問題ですね。
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