交通死亡事故が発生したときに家族(遺族)がすべきこと

交通事故の被害に遭われた方が不幸にも命をおとされた場合、残された遺族は突然の出来事に事態を把握するだけでも時間がかかります。

しかし、遺族は「葬儀」や「公的手続き」「保険会社へ連絡」「加害者側との交渉」など、すぐにおこなわなければならないことが数多くあるのです。

この記事では、交通死亡事故発生直後から遺族がするべきことについて詳しく解説していきます。さらに、保険会社との交渉で注意すべき点、相続が発生した場合の対処法などについても紹介します。

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死亡事故が起こった後で家族(遺族)は何をすべき?

交通事故でご家族を亡くされてしまった場合、悲しみやショックで何も考えられなくなってしまいます。

ただ、悲しみに暮れている時間はほとんどありません。たとえ急な事故であったとはいえ、すぐに葬儀の準備をする必要があります。

まずは警察の検死が必要

入院中に病気で亡くなった場合など、死亡原因がはっきりしています。そのため、医師に死亡診断書を作成してもらい、すぐに遺体を引き取ることができます。

しかし、事故死の場合、事情が異なります。

事故が原因で亡くなった場合では、警察が「検死」をおこなわなければならないのです。

検死は警察側の都合があるため、翌日にできることもあれば、1週間程度先にまわされる可能性があります。

遺体におかしい点があれば司法解剖をおこなうこともありますが、「目視による死因の確認」だけで終わるケースがほとんどです。

検死が終了後、ご遺体は家族に引き取られます。

ご遺体を引き取ってから葬儀の準備

ご遺体を引き取った後は、すぐに葬儀の準備を始める必要があります。

葬儀の準備に関しては、通常の進め方と同じです。準備から葬儀までの流れは以下のようになっています。

  1. 葬儀社への連絡
  2. 葬儀の段取り
  3. 役所に死亡届の提出(葬儀社が代理でおこなってくれる)
  4. 火葬許可証の受領
  5. 通夜、葬儀

初めての葬儀の準備であれば、不明なことも多いでしょう。葬儀についてわからないことがある場合は、葬儀社に相談しましょう。わかりやすく丁寧に教えてくれます。

加害者が葬儀に参列したら被害者側が不利になる?

加害者が逮捕されていない場合、「参列したい」と申し出ることはよくあります。参列となれば、香典を包むこともあるでしょう。

加害者から香典を受け取れば、後の示談交渉で被害者が不利になり、また加害者の責任が軽くなると思われている方がいますが、これは大きな間違いです。

逆に、加害者の対応に悪態をついたことで、交渉がこじれてしまい、いつまで経っても示談が成立しないということになりかねません。

「加害者が憎くて仕方がない」と感じる遺族は当然いらっしゃいます。逆に、加害者には誠意のある対応を望む遺族もいらっしゃいます。

加害者を参列させるかどうかの最終的な判断は「遺族次第」ということになりますが、どちらにせよ交渉に影響が出ることはありません。

葬儀後に様々な手続きをおこなっていく

葬儀後には、様々な手続きをおこなう必要があるのです。

具体的には、以下のような手続きです。

  • 年金受給停止の手続き(年金受給者が対象)

  • 介護保険資格喪失届の提出(介護保険対象者の場合)

  • 住民票の抹消手続き

  • 世帯主の変更届(世帯主だった場合)

  • 電気・ガス・水道・電話などの利用停止(1人暮らし場合)

  • 所得税準確定申告・納税

  • 生命保険金の請求(保険加入者の場合)

  • 相続財産調査

  • 預金等の名義変更

  • 不動産の相続登記 等

こうした手続きは、家族が亡くなった場合には必ずおこなわなければなりません。

集める書類や必要な手続きなど、役所で聞けばすべて教えてくれるので、その指示に従ってください。

慰謝料などの請求は一通りの手続きを終えてから

交通事故でご家族を亡くなった場合、加害者側(の保険会社)と示談交渉をして損害賠償請求をしていくことになります。

しかし、焦って交渉する必要はありません。特に、事故直後から数週間は葬儀や様々な手続きに追われ、保険会社と交渉している暇などないのです。

死亡後の手続きがひと段落し、家族の気持ちもある程度落ち着いた段階で示談交渉をスタートさせてください。

中には、葬儀終了後からすぐに示談を持ちかけてくる保険会社もいますが、応じる必要はありません。焦って交渉を進めても、被害者遺族にとって何1つメリットはないのです。

被害者遺族が受けられる補償について

被害者遺族は加害者(の保険会社)から様々な補償を受けることができますが、具体的にはどのようなものを受けることができるのでしょうか。

請求できる損害賠償金の種類

事故の被害者遺族は、加害者に対して以下のようなものを請求することが可能です。

入院治療費 事故後、病院に搬送された場合にかかる費用。死亡まで治療・入院にかかった費用も含まれる。
入院雑費 入院していた際にかかる雑費。
親族の交通費 家族が病院へ行くためにかかった交通費。
葬儀費用 通夜・葬儀などにかかった費用。支払い基準は60万円。これを超える場合でも請求できる可能性はある。
休業損害 事故発生から亡くなるまでに休業(仕事を休む)した場合に認められる。
死亡慰謝料 事故が原因で亡くなったことによる慰謝料。慰謝料の額は、どの算定基準を採用するかで大きく異なる。
逸失利益 被害者が「生きていれば得られたであろう収入」のこと。被害者の収入によって増減する。

死亡慰謝料や逸失利益については、算定基準や計算方法によって請求額が大きく異なってきます。詳しくは下記の記事を参考にしてください。

示談交渉で損害賠償金を決めていく―交渉の際の注意点は?

上記にあげた項目を含む「損害賠償金」は、加害者側の保険会社との交渉で決められます。交渉の際にはどのような点に注意すればいいのでしょうか。

保険会社は加害者の味方である

葬儀や必要な手続きなどが終われば、加害者側の保険会社と示談交渉をおこなっていきます。

勘違いされている方も多いですが、保険会社は被害者の味方というわけではありません。

保険会社は「契約者である加害者」にとって、少しでも有利な条件での示談成立を目指します。具体的には、加害者の過失割合や損害賠償金が低くなるよう交渉してくるのです。

すでに亡くなっている被害者の過失割合を指摘したり、死亡慰謝料を低く提示してくることも多いのです。

大切な家族を亡くしたショックから立ち直ることができない中で、保険会社と会うだけでも大きな負担です。

それに加え、お金の話や亡くなられた被害者の過失についても交渉しなければならないとしたら、その心労は計りしれません。

そのため、被害者遺族の中には保険会社の提示する金額をそのまま受け入れてしまう人もたくさんいます。

被害者遺族が直接かかわれるのは「民事上の責任」だけ

交通事故被害者が死亡した場合、加害者は行政上や刑事上の責任を問われることになります。

しかし、これらの罪については被害者遺族がかかわることはできません。被害者の思いや感情は、行政上・刑事上の責任に影響することはないのです。

被害者遺族が直接追及できるのは「民事上の責任」だけです。だからこそ、示談交渉に妥協せず「適正な損害賠償金」を請求していくべきです。

慰謝料は算定基準によって大きく異なる

死亡事故の損害賠償請求では、死亡慰謝料の請求がもっとも大きな金額になります。

しかし、保険会社が提示してくる額は「自賠責基準」の必要最低限の慰謝料であることがほとんどです。

「慰謝料の請求」は、残された遺族が今後生きていくために必要であるだけでなく、被害者が直接かかわることができる「加害者の責任追及」です。しかし、保険会社相手の交渉は簡単にはいきません。

相手が示談交渉のプロならば、こちらも示談のプロである弁護士に任せるべきなのです。

保険会社との示談交渉を弁護士に依頼することで、「弁護士(裁判)基準」を採用し、慰謝料を請求することが可能になります。

弁護士が交渉することで、保険会社の提示する慰謝料よりも確実に増額することができます。

もし保険会社が交渉に応じなかったとしても、弁護士がついていれば調停や訴訟で争っていくことができるのです。

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交通死亡事故では「相続」も大きな問題になる

死亡事故で問題となるのは、保険会社との示談交渉だけではありません。実は、亡くなった家族の遺産がある場合、相続をめぐって大きなトラブルになることも多いのです。

相続をめぐって遺族間トラブルを引き起こすケースが多い

死亡事故では被害者が亡くなっているため、「損害賠償請求権」は残された遺族が相続することになります。

相続人が複数いる時、この「損害賠償請求権の相続」に関する問題が起きやすくなっています。

通常、損害賠償請求権が相続される場合、法定相続分(民法で定められた取り分)の通りに相続されます。そのため、相続人で取り分を決める必要はありません。

法定相続人の順番は以下のようになっています。

  1. 配偶者
  2. 子供
  3. 両親
  4. 兄弟姉妹

しかし、相続人の中には「示談金が少なすぎる」「慰謝料を受け取った後でもう少し欲しい」などと言い出す人もいます。こうしたことが原因となり、家族の間で「泥沼の争い」が生じるケースは珍しくないのです。

これ以外にも、亡くなった方に大きな財産がある場合、相続をめぐってトラブルが起きやすくなります。

今まで仲良く暮らしてきたのに、死亡事故がきっかけで家族が争わなければならないとしたらやりきれません。

このように、死亡事故では損害賠償の問題に加え、相続問題も絡んできます。家族間で争うことなく、解決するには弁護士に相談するべきなのです。

交通死亡事故はすぐに弁護士に相談してください

死亡事故は、様々な手続き・交渉を亡くなった被害者に代わって残された遺族がおこなわなければなりません。

悲しみやショックで立ち直ることができない中、すべてを自分たちで進めていくのは簡単なことではないのです。

事故発生後、すぐに弁護士に相談することで遺族の負担を大きく減らすことができます。

弁護士が遺族に代わってすべての交渉を代行

事故直後から弁護士に依頼をすれば、保険会社との示談成立まですべてを一貫してサポートしてくれます。

必要な手続きや用意すべき書類など、1つひとつ丁寧にアドバイスをしてくれるので安心です。わからないことがあれば、すぐに聞くこともできます。

それだけでなく、もっとも大変な保険会社との示談交渉を代行してくれるのです。

保険会社と直接交渉をせずに済むだけでなく、被害者遺族に有利な条件で示談を成立させてくれます。

相続のトラブルも避けることができる

弁護士に依頼すべき理由は、示談交渉だけではなく相続という大きな問題もあります。

遺産相続のためには様々なことをおこなう必要があります。

  • 相続財産の調査
  • 相続方法の決定
  • 遺産分割協議
  • 相続税の申告・納付

専門家の力を借りることで、これらの手続きをスムーズにおこなうことができ、遺族間のトラブルを回避することができます。

仮に仮に遺族トラブルに発展したとしても、法的な視点から解決策を提案してくれるでしょう。

法律の専門家である弁護士が事故直後から入ることで、保険会社との交渉から相続に関する問題まで一貫してサポートを受けることが可能になります。

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