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更新日:2020/09/10
公開日:2020/04/20

死亡事故で遺族が受け取れる慰謝料・損害賠償請求について解説

死亡事故 遺族 慰謝料

交通事故で不幸にも死亡してしまった場合、残された遺族の精神的なキズの大きさは計り知れません。そんな状況にあっても、遺族は保険会社との示談交渉に臨まなければならないのです。

当然ですが遺族にとっては初めてか、あるいはそう多くはない経験なので、慰謝料は?損害賠償は?といった疑問が生じることでしょう。安心してください。遺族が慰謝料を含めた損害賠償を請求することは可能です。ここでは、より高額な損害賠償金を得るにはどうすれば良いのかを中心に、死亡事故の損害賠償について分かりやすく説明します。

家族が死亡した場合に対応するのは誰か

家族が交通事故で死亡した場合は、被害者本人に代わって遺族・相続人が事故後の対応に当たることになります。

原則的には相続人が請求者となるので、妻帯者ではない、子供がいないなどの場合には親や兄弟が請求することもあります。

親族が死亡した事故のため精神的な負担が大きい状況であっても、遺族・相続人は加害者が入っている保険会社に対して慰謝料・損害賠償を請求する必要があります。葬式を終えて四十九日が過ぎたころには保険会社との示談交渉が始まります。

慰謝料はもらえるのか

示談交渉では慰謝料を請求できるので安心してください。死亡事故の慰謝料は大きく分けて二つあります。

遺族・相続人に対する慰謝料

慰謝料には3つの基準(自賠責基準、任意保険基準、弁護士・裁判所基準)がありますが、このうち自賠責基準と任意保険基準では、遺族・相続人に対する慰謝料を請求できます。家族を交通事故で失った遺族の精神的な痛みに対する損害賠償(慰謝料)が認められているのです。

被害者本人の慰謝料

遺族・相続人は、亡くなった被害者本人の慰謝料を請求することができます。

遺族・相続人、被害者本人のどちらに対する慰謝料であっても、3つの基準があることに注意しましょう。どの基準を取るかによって受け取ることができる慰謝料がまったく違ってくるからです。

慰謝料算定の3基準

慰謝料を算定するには3つの基準があります。

自賠責基準

死亡した被害者に対する慰謝料は350万円となります。請求権者(遺族等)の分がこれに加算されます。請求権者1人の場合は550万円、2人の場合は650万円、3人以上の場合は750万円になります。

被害者に被扶養者がいる場合は、それぞれに200万円が加算されることになり、請求権者1人で750万円、2人で850万円、3人以上は950万円になります。

任意保険基準

任意保険基準はそれぞれの保険会社が独自の基準を持っていると言われており、原則的に非公開となっています。ただし、賠償金額の大小で言えば、弁護士・裁判所基準>任意保険基準>自賠責基準、とされています。

弁護士・裁判所基準

遺族・相続人に対する慰謝料は請求できませんが、被害者本人に対する慰謝料の額は次の通り高額です。

  • 一家の支柱(大黒柱):2800万円
  • 母親・配偶者:2400万円
  • その他:2000~2200万円

慰謝料のほかに請求できる損害賠償金

慰謝料は、被害者の精神的苦痛に対する損害賠償金であるため、交通事故で請求できる損害賠償の「一部」でしかないのです。つまり慰謝料以外の損害賠償金があるわけです。死亡事故の場合はどうなのでしょうか。

重要なのは、被害者が「どの時点で死亡したのか」です。

①即死

他の死亡事故と同じように、逸失利益と葬祭費を請求できます。

逸失利益

被害者が生きていたならば将来的に得られたはずの収入を死亡逸失利益と呼びます。死亡逸失利益は次の式で算定することができます。

死亡逸失利益 = 1年当たりの基礎収入×(1-生活費控除率)×稼働可能期間に対応するライプニッツ係数

自賠責基準、任意保険基準、弁護士・裁判所基準、のいずれの基準でも共通の式です。ただし、1年当たりの基礎収入など算定式中の要素(定数など)が異なることに注意しましょう。

ライプニッツ係数は、将来にわたって発生する賠償金を前倒しで受け取る場合に使う指数です。

遺族・相続人が加害者側に請求できるのは、将来の収入から将来の生活費を差し引いた額となります。請求額は、次の式によって算定されます。

死亡逸失利益×(1―生活費控除率)

この生活費控除率は、自賠責基準、任意保険基準、弁護士・裁判所基準によって異なります。

葬祭費

自賠責保険では上限が60万円に決まっています。60万円を超えることが明らかな際は、上限100万円の範囲内で請求することが可能です。弁護士・裁判所基準では、130万円~170万円の範囲で請求することができます。

②治療・入院後に死亡

逸失利益、葬祭費のほかにも請求する費目があります。死亡するまでの期間については、傷害(ケガ)賠償の請求をすることができます。具体的には、治療・入院費のほか、休業損害、障害慰謝料などの請求ができます。

休業損害

交通事故に遭い傷害を負ったことで被害者は仕事ができなくなります。仕事を休んだために収入が減った分を賠償請求するのが休業損害です。死亡するまでの入院期間中の減収分を請求できます。

自賠責基準と弁護士・裁判所基準では、算定式が異なります。

自賠責基準
5700円/日(~19000円/日)×休業日数

弁護士・裁判所基準
1日当たりの基礎収入×休業日数

自賠責基準とは違い、弁護士・裁判所基準では、1日当たりの基礎収入を決めることになりますが、被害者の職業によって算定方法が異なることに注意しましょう。

③後遺障害等級認定後に死亡

死亡事故の賠償金である逸失利益、葬祭費を請求できるのは当たり前です。すでに請求済みの場合はのぞくとして、基本的に治療・入院費、休業補償、傷害慰謝料等のほか、後遺障害慰謝料を請求できる可能性があります。

後遺障害慰謝料

交通事故で負った傷害(ケガ)が、将来においても回復の見込めない状態となり、労働能力の喪失(低下)を伴い、傷害の程度が自賠法施行令の等級に該当する場合、後遺障害等級認定を受けることができます。症状の重い順に1級~14級までの等級があり、程度に応じて慰謝料の目安が定められています。

死亡事故の慰謝料・損害賠償請求を単独で行う場合の注意点

死亡事故の慰謝料・損害賠償請求を被害者が単独で行う際には、

  • 交渉に当たって、賠償額の算定等さまざまな調査をする必要がある(=保険のプロと同レベルの調査・準備が欠かせない)
  • 任意保険会社と厳しい交渉をしなければならない(=任意保険会社の提示する最低レベルの賠償額から遺族・相続人が希望する額まで上積みする交渉力が欠かせない)

といった作業が要求されることになります。任意保険会社は、民間の営利企業なので、遺族・相続人の主張をそのまま聞き入れることはありません。できるだけ保険金の支払いを抑えようとするためです。このため、単独で交渉をするのが難しくなります。

弁護士に依頼するメリット

交通事故を専門とする弁護士は、さまざまな案件を日常業務として扱っており、死亡事故の担当経験も豊富です。弁護士が担当した場合は、

  • 交渉を行うための調査・下準備をしてくれる
  • 任意保険会社との交渉を代行してくれる
  • 慰謝料・損害賠償額のもっとも高い基準である弁護士・裁判所基準を使うことができる=もっとも高い慰謝料・損害賠償額を受け取ることができる

などの強みがあります。遺族・相続人の方々が単独で示談交渉をするのは肉体的にも精神的にもつらいうえ、希望通りの成果が上がらない結果となる恐れがあります。このため、弁護士の無料相談を活用してみてはいかがでしょうか。ご遺族・相続人にとって納得のいく答えが見つかるはずです。

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