

人身事故の場合、被害の状態は傷害・後遺障害・死亡の3通りに分かれます。いずれの場合も財産的損害と精神的損害が発生しますが、後遺症はときに一生涯におよぶ機会損失を伴うものです。
そこで、後遺症によって生じる経済的な損失や精神的苦痛に対する慰謝料も含めて損害賠償として加害者に請求します。それにはまず、後遺症の認定を受けなければなりません。正確な診断を受けなければ、妥当な額の慰謝料請求ができないため、正直に医師に症状を伝える必要があります。
ここでは、後遺症が残ったときの対処法と被害者請求という慰謝料請求方法をご説明します。
後遺症とは
後遺症とは、これ以上治療を続けても症状の改善が望めない状態のことです。症状が固定し、生活上の障害となると後遺障害といいます。そのため、後遺症を伴う事故では傷害についての損害と後遺障害についての損害の2つを加味した損害賠償金を請求することになります。
後遺症の発生に伴う損害
後遺症(後遺障害)となった事故では、傷害についての損害に加えて後遺障害についての損害が発生します。発生する損害は以下のようになっています。これらの損害を賠償額として算出し、加害者に請求します。
傷害についての損害
財産的損害 |
積極損害 |
治療関係費、交通費、入院費、付添人費用、義足代など |
消極損害 |
休業損害、後遺症による逸失利益 |
精神的損害 |
慰謝料 |
入院・通院に対する慰謝料、後遺症の慰謝料 |
後遺障害についての損害
財産的損害 |
積極損害 |
重度の後遺障害が生じたために、必要になった治療関係費など |
消極損害 |
後遺障害が残ったために失った利益 |
精神的損害 |
慰謝料 |
精神的苦痛に対する損害賠償金 |
症状固定の治療費というものは原則として認められません。これは、症状が固定したら治療は必要なくなるという考えに基づいています。
ただし、重度の後遺症が残った場合は症状固定後も治療を施さないと症状が悪化する可能性があります。その場合には、症状固定後の治療費も積極損害として認められます。
後遺症の認定を有利に進める
後遺症の症状によって、賠償金額が変わります。そのため、後遺症についての損害賠償を請求するには、被害者の後遺症がどのくらいのものであるのかを確定させる必要があります。これを事前認定と言います。
後遺障害等級の認定の仕方は以下のとおりです。
後遺症の等級を認定してもらうまで
STEP1 医師の診断
病院で医師の診断を受け、後遺障害診断書を作成してもらいます。
STEP2 後遺障害診断書の提出
加害者の保険会社に後遺障害診断書を提出し、等級の認定を請求します。
STEP3 後遺障害等級の認定
保険会社は損害保険料率算出機構の調査事務局に診断書を送ります。そこで後遺障害別等級表を参照し、等級の認定がされます。
診断の際は症状を正直に、正確に医師に伝えること
後遺障害の認定の際はまれに調査員が被害者に直接面談をすることがあります。しかし、多くの場合は書面だけで行われます。そのため、精確な診断を受けることが重要です。「これくらいの痛みなら大したことはない」と思って症状を言わないでいると、妥当な診断が下されません。病院で診断を受ける際は、医師にしっかりと症状を伝えましょう。
後遺症の等級認定には異議の申し立てが可能
後遺障害の等級認定について疑問がある場合は、加害者の自賠責保険会社に異議の申し立てを行うことができます。異議申し立てを受けると「損害保険料率算出機構」の地区本部が再審査を行います。
この地区本部での審査でも不服がある場合、ここの本部にある「自賠責保険後遺障害審査会」が審査をすることになります。ここでも意見が分かれた場合は、自賠責保険・共済紛争処理機構による調停制度が利用できます。
このように被害者が妥当な等級認定を受けられるように、複数の審査会が設けられています。
納得のいく慰謝料を求めるなら被害者請求
保険会社が提示する示談金額は、妥当な額よりも低いことがほとんどです。納得のいく損害賠償金を受け取りたいときは、被害者請求を行ったほうが良いでしょう。
被害者請求とは、被害者が加害者の加入する自賠責保険会社に対し、必要書類を揃えて自ら損害賠償請求を行うことです。自分で書類を用意することに自信がない方は、弁護士や専門家にご相談ください。
後遺症の賠償請求は3年以内に
後遺症についての損害賠償請求は永久にできるわけではありません。損害賠償請求権の時効は3年であるため、症状が固定した翌日から3年以内に請求を行う必要があります。症状は確定したものの、加害者の住所・氏名を知らなかった場合は、住所・氏名を把握してから3年が期限となります。
また、ひき逃げの場合は20年間で賠償請求権が消滅します。
まとめ
傷害の治療を進めても、これ以上回復しない状態が後遺症となります。後遺症が生活に支障をきたす後遺障害は、加害者の保険会社によって等級認定がされます。もしもその認定結果に不服がある場合は、異議の申立てができます。被害者の側から損害賠償金を求めるときは、症状が固定してから3年以内に被害者請求を行います。
交通事故という精神的・肉体的なダメージや疲弊を被る状況の後、一人だけで事故処理を行うことは大変なことです。後遺症の診断や慰謝料請求の際に損をすることも、充分考えられます。
そこで、交通事故に精通している弁護士に依頼することがお薦めです。賠償金(慰謝料)の増額が期待できるほか、書類の用意もスムーズです。
もしも被害者が加入している任意保険に弁護士費用特約が付いている場合、弁護士費用は保険会社から支払われます(上限300万円)。弁護士費用を保険会社が負担してくれるため、弁護士に依頼した方がお得と言えるでしょう。
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