後遺障害等級認定にかかる期間は?

交通事故の被害に遭って大けがを負ってしまい、後遺症(後遺障害)が残ったときはどうしたら良いのでしょうか。そのような場合の救済措置として、後遺障害等級認定という制度があります。簡単に言うと、後遺障害を程度に応じて等級別に認定して損害賠償額を決める仕組みです。ただ、利用するのは容易ですが、認定されるまでの期間が長いという注意点があります。以下では、申請前の段階から、認定に至るまでの期間を分かりやすく説明したいと思います。

後遺障害等級認定とその申請について

交通事故の後遺障害について支払われる保険金の額を定めた基準=等級に当てはまるかどうかの判断を、後遺障害等級認定と呼びます。

自賠責法では、後遺障害の種類や程度に応じて1級から14級までの等級が定められています。等級ごとに以下の二つが規定されています。

  • 自賠責保険で支払われる保険金の額
  • 事故に遭わなければ得られたはずの逸失利益の算定基準となる労働能力喪失率

後遺障害等級認定を申請する方法については、次の2つがあります。

【事前認定】
加害者側の任意保険会社が被害者に代わって後遺障害の等級認定を申し立てる手続き。加害者側の保険会社にすべてを委ねることになるため、被害者にとって不利な等級認定が行われる可能性もあります。

【被害者請求】
被害者が加害者加入の自賠責保険会社に直接保険金の請求をする方法。自賠責法16条に基づくため「16条請求」と言われるほか、被害者が直接請求することから「直接請求」と言われることもあります。

後遺障害等級認定の申請までにかかる期間

残念なことに交通事故の直後に後遺障害等級認定の申請はできないのです。それでは、いつになったら申請ができるようになるのでしょうか。

交通事故などで負った傷害について、これ以上治療をしても症状が改善しない状態になった時に申請が可能になります。この状態を、症状固定と言います。

さて、症状固定までの期間はどれくらい見ておけば良いのかについては、それぞれの症状・診断ごとにまちまちで一概には言えません。

一般的な目安ですが、むち打ち(頸椎捻挫)では、6か月以上、醜状障害(しゅうじょうしょうがい)では、6か月から2年以上、脳損傷では、1年以上となります。

参考までに、交通事故に遭った被害者が自賠責保険に請求をした診療(費)の期間に触れてみます。以下の表においては、後遺障害等級認定について言及していませんので、あくまでも参考にしてください。

自賠責保険(共済)に対して請求があった診療期間ランク別障害度別件数・構成比(2015年度)

診療期間ランク別障害度別件数・構成比

[引用元]損害保険料率算出機構編 2016年度 自動車保険の概況 テキスト96ページ

症状固定後から後遺障害等級認定申請までの期間

被害者請求の場合は、書類の準備が必要となります。役所に行って必要書類を入手するほか、加害者加入の自賠責保険に備え付けてある申請書類用紙もあります。

交通事故証明書交付申請書はじめ、戸籍謄本、委任状、印鑑証明書、および後遺障害診断書など多くの書類を自分で集める必要があります。人によっては、1か月以上を要することになるので、余裕をもって臨みたいものです。

後遺障害等級認定の申請から認定までにかかる期間

さて、書類を用意した後は、いよいよ加害者加入の自賠責保険会社への申請となります。ここから、後遺障害認定の損害調査がスタートします。ただし、実際の調査を行うのは自賠責保険会社ではなく、第三者機関である損害保険料率算出機構となります。損害保険料率算出機構は、各地にある傘下の自賠責損害調査事務所に調査を委ねます。

その損害保険料率算出機構が公表しているデータ(2015年度)を下に掲載します。これを見る限りでは、全体の81.9%が調査所要日数30日以内となっています。さらに、60日以内が90%以上を占めていることが分かります。

【後遺障害】自賠責損害調査事務所における損害調査所要日数(2015年度)

損害調査所要日数

[引用元]損害保険料率算出機構編 2016年度 自動車保険の概況 テキスト36ページ

まとめ

おおまかな流れと所要期間を見てきましたが、正確を期すためには、被害者の方の状況を十分に考慮する必要が出てくるものです。また、被害者請求では、心身のダメージを負った被害者の方自身が、煩雑な事務手続きに対処しなければなりません。ですから、交通事故を専門とする弁護士に一度相談してみてはいかがでしょうか。

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