大阪府の交通事故状況や特徴
大阪府の交通事故件数は年々微減傾向にはあるものの、依然として全国トップクラスです。大阪府の交通事故統計を見ると、交通事故件数の大幅な減少は達成できていないものの、死亡者数は年々減少しています。平成28年の死亡者数は161人で、これは戦後以降2番目に少ない数値です。
大阪府の交通事故の特徴は、飲酒運転の交通事故が多いことです。飲酒運転による事故件数自体は減少傾向にあるものの、全国の都道府県と比較すると圧倒的に多く、平成28年は191件の事故が飲酒運転に起因するものです。
大阪府ではこれを問題視し飲酒検問などを精力的に実施し、平成28年には1,369件検挙しています。なお、約10年前の平成16年度時点では、検挙数は9,835件あったため、飲酒運転の数は大きく減少しつつあります。
大阪府で飲酒運転と結びつきやすい交通違反は、前方不注意と信号無視です。この2つが通常よりも飲酒運転時に起こりやすくなっています。
また飲酒運転事故の運転者の年代については、20代~65歳以上の高齢者まで年齢に大きな偏りはないこともわかります。
また、大阪府の交通事故は、8~9時が最も多く、次いで僅差で17~18時の事故件数が2番目に多くなっています。歩行中の高齢者や自転車の交通事故も多いことから、大阪の交通量の多さが読み取れる大阪府交通事情です。
大阪府で発生した交通事故件数
大阪府で発生した交通事故件数を、数字をもとに見ていきましょう。
※数字は、人身事故件数(死亡者数)です。
平成17年 66,105件(268人)
平成18年 62,834件(255人)
平成19年 59,062件(248人)
平成20年 53,769件(198人)
平成21年 51,697件(205人)
平成22年 51,292件(201人)
平成23年 49,644件(197人)
平成24年 48,212件(182人)
平成25年 46,110件(179人)
平成26年 42,729件(143人)
平成27年 40,607件(194人)
平成28年 37,920件(161人)
このような統計が、警察庁から発表されています。
大阪府の交通事故件数は10年連続の減少を記録しています。しかし、死亡者数に関しては平成26年に最低を記録したまま更新には至っていません。
事故に直結する問題の一つとして、高齢者の事故が問題視されています。平成28年の高齢者の死亡者数は74人で、前年より4人減ったものの、全体の約46%を占めています。
交通事故を減らすために大阪府でおこなっている運動や対策
大阪府警察は、大阪府内の交通事故を減らすためにさまざまなイベントやキャンペーン、講習会などの取り組みを行っています。
その内の一部をご紹介します。
子どもの大事な頭を守る自転車ヘルメットの着用率の向上を図るため、自転車ヘルメット着用啓発モデルチームを作る「ひろメットチーム」。これは、子どもが参加しているスポーツスクールなどに対し、自転車ヘルメットの着用を広めるために行っている活動で、参加を表明することで「ひろメットチーム」として任命されるものです。
飲酒運転による事故件数が全国でもトップクラスの大阪府では、飲酒運転を防ぐためのキャンペーンを行っています。それが「ハンドルキーパー運動」です。車で外食に出かけた際は、お酒を全く飲まない運転手(ハンドルキーパー)を設けようという運動です。参加店は来客者に対して運転手の確認を行い、酒類の提供をしないようにします。
大阪府では交通事故件数を減らすべく多くの活動を積極的に行っています。
運転者や車両別の発生件数
大阪府内の交通事故死者数を車両別・年代別に見ると以下のとおりです。
車両別・年代別交通事故死者数(平成28年) | 自動車 | 自動二輪車 | 原付 | 自転車 | 歩行中 | 合計 |
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15歳以下 | 1人 | - | 1人 | - | 1人 | 3人 |
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16~19歳 | 1人 | 7人 | 1人 | 1人 | - | 10人 |
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20~24歳 | - | 5人 | - | 1人 | - | 6人 |
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25~29歳 | 1人 | 2人 | - | 2人 | - | 5人 |
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30~34歳 | 1人 | 6人 | - | - | - | 7人 |
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35~39歳 | - | 3人 | 1人 | - | 1人 | 5人 |
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40~44歳 | 1人 | 2人 | 1人 | 1人 | - | 5人 |
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45~49歳 | 4人 | 4人 | 1人 | 3人 | 1人 | 13人 |
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50~54歳 | 6人 | 1人 | - | 2人 | 1人 | 10人 |
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55~59歳 | 2人 | 2人 | 2人 | 2人 | 3人 | 11人 |
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60~64歳 | 5人 | - | 1人 | 2人 | 4人 | 12人 |
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65~69歳 | 3人 | - | 1人 | 5人 | 7人 | 16人 |
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70~74歳 | 5人 | - | - | 1人 | 6人 | 12人 |
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75歳以上 | 3人 | - | 2人 | 11人 | 30人 | 46人 |
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合計 | 33人 | 32人 | 11人 | 31人 | 54人 | 161人 |
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東京都、神奈川県に続き、全国で第3位の人口を誇る大阪府は、四輪車だけでなく自転車での交通事故が多いことがわかります。また、原付バイクと自動二輪を合わせると43件の死亡事故があり、二輪車による事故も多いことがわかります。
なお、年齢別の死亡者数を見ると、65歳以上の高齢者による死亡事故は、全事故のうち事故件数では約46%と多くの割合を占めています。高齢者が当事者となる事故は死亡事故につながりやすいことが分かります。高齢者の歩行者が特に多く死亡事故に巻き込まれているため、発生を回避するための何らかの対策を講じる必要があります。
事故の類型で事故件数を分けると以下のようになります。
類型別交通事故死者数(平成28年) | 類型 | 死亡事故件数 |
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車両相互 | 正面衝突 | 3件 |
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追突(進行中・その他) | 8件 |
出会頭 | 18件 |
追越し・追抜き時 | 4件 |
すれ違い時 | - |
左折時 | 7件 |
右折時(右折直進・その他) | 15件 |
その他 | 6件 |
小計 | 61件 |
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人対車両 | 通行中 | 4件 |
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横断中 | 35件 |
路上作業中 | 2件 |
路上停止中 | 1件 |
その他 | 8件 |
小計 | 50件 |
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車両単独 | 工作物衝突 | 29件 |
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駐車車両衝突 | - |
路外逸脱 | 4件 |
転倒 | 9件 |
その他 | 7件 |
小計 | 49件 |
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列車 | 1件 |
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合計 | 161件 |
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道路の形状では、約71%が交差点あるいは交差点付近での事故です。
交通事故の違反別に死亡者数を見ると、以下のとおりです。第一当事者・第二当事者を合わせた数字です。
違反別交通事故死者数(平成28年) | 違反別 | 死者数 |
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車両側の違反 | 信号無視 | 16人 |
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通行区分(右側通行) | 4人 |
車両通行帯 | 1人 |
最高速度 | 14人 |
追越し | 4人 |
割り込み違反 | 2人 |
交差点安全進行義務違反 | 34人 |
歩行者妨害 | 6人 |
徐行場所 | 1人 |
指定場所一時不停止 | 5人 |
駐車 | 2人 |
整備不良車両運転 | 1人 |
安全運転義務違反 | 114人 |
その他 | 2人 |
調査不能 | 6人 |
違反なし | 9人 |
小計 | 221人 |
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歩行者側の違反 | 信号無視 | 15人 |
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通行区分 | 2人 |
横断 | 3人 |
踏切不注意 | 1人 |
寝そべり | 6人 |
飛び出し | 1人 |
その他 | 9人 |
違反なし | 14人 |
小計 | 51人 |
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その他の当事者によるもの | 50人 |
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合計 | 322人 |
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安全不確認の違反が圧倒的に多いことが、交差点内での事故につながっていることが分かります。
大阪府で弁護士への相談をお考えの方へ
大阪で交通事故に遭い、示談交渉に際して弁護士に依頼をしたい場合、まずはどこに問い合わせをしますか?いくつか選択肢がありますが、その中に大阪府の弁護士が構成する大阪弁護士会もあります。まずは何でも相談から始まりますので、お気軽に問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
大阪弁護士会とは
明治13年5月に結成された大阪組合代言人という組合が前身で、昭和24年9月に現行弁護士法が施行されたことで、現在の大阪弁護士会となりました。大阪府に事務所を構える弁護士が加盟しています。弁護士会は国などの所轄官庁を持たない、完全なる自治権を持った団体です。基本的人権の擁護と社会正義の実現のため大阪府で様々な取り組みを行っています。法律相談に関しては、大阪弁護士会間以外は次の場所で受けることができます。詳細に関しては大阪市北区西天満にある本部までお問い合わせください。
- なんば法律相談センター
- 堺法律相談センター
- 岸和田法律相談センター
- 谷町法律相談センター
- 南河内法律相談所
大阪府での弁護士相談の口コミ・評判
交通事故慰謝料・示談SOSで紹介する弁護士はfacebookなどSNSで口コミ・評判が高い事故の専門家ばかりです。交通事故の問題を弁護士に相談して良かったという一つの例をご紹介します。
ケース1 大腿骨骨折
大阪府の場合、特に事故件数が多いのは大阪市です。何か所か交通事故多発地点が存在します。梅田新道交差点はその中の一つです。国道1号線と2号線の境界でもあるこの交差点はAさんが事故に遭った場所でもあります。Aさんはどのように事故を解決させたのか見ていきましょう。
●Aさん (大阪市在住 男性 35歳 会社員)
1号線を天満宮の方から梅田の方へと歩いていたときのことです。町中で、車の通りは激しいので多少気にしつつも普段通り歩道を渡っていると、後ろから凄い力で硬いものがぶつかって、前に飛ばされました。左折車が歩道橋の橋脚で歩行者の私をよく見てなかったようで、轢かれたのです。病院では大腿骨骨折と診断されました。結構な痛みのなか、入院手術も終え、通院もしました。結果的にケガは治りましたが、臀部の横から脚にかけて大きな手術痕が残りました。この分の慰謝料は貰えないのかと弁護士事務所を訪ね、示談の代理交渉を依頼しました。結局、和解ということになりましたが当初よりも増額ができ、510万円の賠償金を受け取りました。
Aさんがもしも疑問に思わなければ、そのまま事故の処理は決着してしまっていたでしょう。おかしいなと思ったら、そのままにせずに弁護士に相談されることがお薦めです。弁護士に相談すると聞くと大仰なことと思われがちですが、行動を起こさない限りは適正な賠償金を得ることはできません。勘違いだという結果でも良いので、何事も相談してみることが大事です。Aさんも弁護士に頼んで良かったとのことです。
ケース2 むちうち
新深江交差点は内環状線と府道24号線が交わる交差点です。大きな交差点では無いのですが、バイクから大型トラックまで様々な自動車が行き交う場所で、軽症の事故が比較的多い地点です。
●Rさん (大阪市在住 女性 51歳 自営業)
朝の通勤時に内環状線を原付で南下していました。しばらく先行車が途絶えた後の交差点進入だったから、車が来てないと思ったのでしょうか。信号も変わりかけていて、右折できそうになったとき、目の前に右折車が現れ、衝突しました。あちこちが痛く、どこが具体的に痛いのかもよくわからないまま病院に運ばれ、診断を受けると、頚椎捻挫と肩腱板の損傷でした。治療の結果、頚椎捻挫で後遺症が発生しました。後遺障害14級に認定されましたが、慰謝料に納得できなかったため、弁護士に依頼することにしました。それにより、過失割合の修正などができ、120万円から250万円まで賠償金を増額事に成功しました。
Rさんは慰謝料が少ないのではないかという疑問があり、弁護士事務所に相談に行かれたそうです。ご自分で交渉をされていたので、もう少しで示談が成立するところでした。しかし、ご本人の直感で弁護士への依頼と慰謝料増額へとつながりました。
ケース3 足首の骨折
梅新東交差点は最初の梅田新道交差点のすぐ東に50mほど行った所にあります。違いは梅新東交差点には歩道がなく上に歩道橋が架けられています。そのため、少し薄暗くなっています。この交差点も交通時の多い場所です。
●Kさん (大阪市在住 男性 29歳 会社員)
私は自転車で通勤をしているのですが、その日もいつも通り、車道をロードバイクで走って会社に向かっていました。梅新東交差点に差し掛かったときに対向車線から右折しようとする車が見えました。「自分のことが見えてないのかな」と思いながらも直進すると、相手は全く見えてなかったのか、そのまま衝突。擦り傷・切り傷はたくさんありましたが、特に足の骨折がひどかったです。病院で治療を行いましたが、症状固定となり、痛みは残ってしまいました。知り合いに弁護士に相談したほうが良いと言われて、依頼することにしました。交渉の結果、慰謝料の増額ができ、450万円となりました。
被害者の人が若いと、それだけ逸失利益は大きくなります。弁護士に相談いただければ、そういったそれぞれの細かい計算も妥当なのかどうか調べることができます。一人では不安な方は大阪府で依頼できる弁護士事務所を当サイトで探してみてはいかがでしょう。
大阪府で交通事故に特化した弁護士をお探しの方へ
大阪府での交通事故に特徴的なことは、傷害・死亡ともに事故件数が昼間の方が多いことです。通常は昼間のほうが事故件数は多くても、夜間の方が死亡率が高い場合がほとんどです。昼間は人や車の往来が激しくなるため、交通量や歩行者の人数が事故の発生率と関係しそうです。
大阪府で交通事故に遭ったら、大阪府で依頼ができる弁護士に相談してみましょう。保険会社の提示する賠償金は妥当な金額よりも低いことが少なくありません。もしも請求できるはずの金額より少ない賠償金を受け取ってしまったら、やり直すことはできません。相談してみた結果依頼しなくても構いません。当サイトで口コミが良い弁護士を紹介しておりますので、お気軽にお問い合わせください。