リハビリ通院を続けるなら通院慰謝料相場と保険会社の示談交渉のパターンを知ろう

交通事故の被害を受けてリハビリ通院している最中だけど慰謝料がどれぐらい貰えるのか心配という人は多いと思います。治療を続けているけれど、保険会社から「治療費を打ち切ると言われた」「症状固定を通達された」などの悩みを抱えていないでしょか?

特に、むちうち(頸椎捻挫)は交通事故で最も多い症状ですが、他の症状と比べると後遺障害の程度が分かりにくいため保険会社の判断も厳しいものになります。

そんな被害者がやるべきは、通院慰謝料相場や仕組みを理解することと保険会社の交渉パターンを知ることです。そして、もしご自身が不利な状況に立たされているならば、交通事故に強い弁護士に相談することが、状況を改善するための第一歩です。

この記事では、「通院を続けたい」「正当な通院慰謝料を請求したい」「保険会社の言いなりになりたくない」という方のために、慰謝料相場と示談交渉の注意点などについて解説していきます。

通院慰謝料についての基礎知識と慰謝料相場について

通院慰謝料の基準には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つがあります。基準が3つもあるのは、それぞれの立場、目的に違いがあるからですが、事故の状況などによって慰謝料が増減する可能性があります。

自賠責基準

自賠責保険では、治療日数1日につき4,200円と定められています。また、治療日数に関しては、「治療期間(1ヶ月30日)」と「通院日数×2」の少ない方を採用します。

例えば、3ヶ月の通院期間に対して実通院日数が40日の場合、実通院日数×2=80日が採用されることになり、通院慰謝料は4,200×80=336,000円ということになります。

任意保険基準

任意保険では、各保険会社が独自の基準を設けており、明確な金額は公表されていないことがほとんどですが、通院慰謝料は自賠責保険が設けている自賠責基準に近い額となることが通例です。

保険自由化以前まで使われていた任意保険基準では、通院1ヶ月の場合123,000円、2ヶ月246,000円、3ヶ月369,000、4ヶ月467,000円、5ヶ月554,000円、6ヶ月627,000円と治療期間に対して定額が定められています。

弁護士基準

弁護士基準は、裁判所基準とも呼ばれており、これまでの裁判例の積み重ねにより認められてきた多くのケースの賠償額を目安として基準化されたものです。

交通事故に関わる法律の専門家である弁護士は、財団法人日弁連交通事故相談センター本部が発行する「交通事故損害額算定基準(青本)」と財団法人弁連交通事故相談センター東京支部が発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準(赤本)」の情報を基に通院慰謝料を算定します。

他覚所見がない症状の場合は、「※赤本別紙2」の情報を基に算定されることになります。

弁護士基準は任意保険基準同様に治療期間に対して定額が定められています。弁護士基準の通院慰謝料は、通院1ヶ月の場合280,000円(※190,000円)、2ヶ月520,000円(※360,000円)、3ヶ月730,000円(※530,000円)、4ヶ月900,000円(※670,000円)、5ヶ月1,050,000円(※790,000円)、6ヶ月1,160,000円(※890,000円)と、他の基準と比べても圧倒的に高い通院慰謝料を獲得することができます。

たとえ、むちうちでも、事案によっては1年以上の通院治療が必要になるケースもあります。もし、12ヶ月以上通院した場合の通院慰謝料は、任意保険基準で12ヶ月910,000円、13ヶ月935,000円、14ヶ月955,000円、15ヶ月984,000円となります。

弁護士基準の場合は、12ヶ月1,540,000円(※1,190,000円)、13ヶ月1,560,000円(※1,200,000円)、14ヶ月1,620,000円(※1,210,000円)、15ヶ月1,640,000円(※1,230,000円)となります。

保険会社の常套手段の「通院打ち切り」には要注意!症状固定にしてはいけない!

事故形態が軽微な場合や症状が軽い場合、基本的に保険会社は1~3ヶ月で通院打ち切りを持ちかけてきます。たとえ被害者がこれに応じない場合でも、病院側に今後治療費は一切支払わないことを通知し、強制的に治療を修了させようとします。

また、「慰謝料を支払うので症状固定にしてください」と保険会社の担当者から連絡が入ることもあります。いずれにしても、保険会社はこれ以上、治療費は払わないということを主張しているわけです。被害者の観点からして、この先の治療費や交通費、休業損害は請求できないと考え、自己負担で治療するのには金銭的にも時間的にも負担が大きいため、多くが諦めてしまうタイミングでもあります。

症状固定とは、これ以上治療を続けても症状が改善しない状態のことを意味します。しかし、交通事故において症状固定は、後遺障害等級申請に移行するポイントでもありますが、通院慰謝料に関しては、この先の慰謝料請求権を放棄しますという意味でもあります。

症状固定の時期を決めるのは保険会社ではありません。担当医師が医学的な観点から症状固定の時期を判断します。症状も治り方もひとそれぞれですので、事故後たとえ一定期間が過ぎると治るという保証はありません。保険会社が症状固定のタイミングを定めているのは、「自賠責保険の支払限度額」が大きく関係しています。

ここで重要なポイントは、たとえ保険会社から治療費打ち切りを宣言されたとしても、症状が少しでも残っている場合は、症状固定にしてはいけない!ということです。原則として、保険会社から治療費の支払いを打ち切られてしまった場合でも、症状固定(又は完治する)に至るまでは、全額を保険会社から支払ってもらうことができます。

保険会社に治療費の支払いを打ち切られても通院を続けたい場合の方法

保険会社に治療費打ち切りを宣告されると、症状固定にして今まで通院した分の慰謝料だけでも支払ってもらうか、自己負担で通院を続けるかしか方法は無いのかと思うかもしれません。しかしながら、そんな保険会社の一存だけがまかり通るような不公平なことはありません。

症状固定にしていなければ、自賠責保険から120万円までの範囲内であれば慰謝料を支払ってもらえます。もともと、保険会社は被害者に支払う慰謝料を、国の事業である自賠責保険(自動車損害賠償保障事業)に請求して、自賠責保険の支払限度額である120万円の範囲内であれば全額賄うことができます。

通院慰謝料を含め損害賠償金を請求する方法には、自賠責保険から支払われる慰謝料を加害者が加入する任意保険会社が立替えて被害者に「一括払い」する「加害者請求」と、保険会社含め加害者側が損害賠償請求に応じない場合に、被害者が加害者の加入する自賠責保険に直接請求できる「被害者請求」の2つがあります。

また、保険会社が治療費の支払いを打ち切った場合は、治療費や交通費等を自分で用意する必要が出てくると考えるかもしれませんが、被害者請求する場合、自賠責保険に対して「仮渡金」を請求することができます。

仮渡金とは、当面のお金が用意できないような場合に、保険金が支払われる前にまとまった金額を受け取れるというもので、5万円、20万円、40万円の3つの金額のうち症状や治療日数に応じた額を請求できます。

保険会社との示談交渉の注意点

症状固定は通院慰謝料等に関する請求の終了を意味しますが、示談は損害外賠償の金額を当事者同士の話し合いで解決することを意味します。つまり双方合意のうえで示談が成立することになりますので、症状が治まっていないのに曖昧な気持ちで示談書にサインしてしまっても後になってやり直しはできません。

通常であれば、しかるべき時期に保険会社から示談の申し入れがあり、示談案が提示されます。これが示談交渉の始まりです。示談案には、通院慰謝料、休業損害、治療費、逸失利益ごとに各々金額が記載されています。

この最後の示談交渉で保険会社はあらゆるテクニックを用いて交渉をしかけてきます。保険会社の担当者は、年間何十件という示談をこなしているプロですので、被害者本人が有利に交渉を進めることは非常に難しいのが実情です。

保険会社の示談交渉には特定のパターンがあります。定番パターンには、自賠責基準から若干加算した損害賠償額を提示するというものですが、弁護士基準の70%~80%程度の場合もあります。いずれにしても、適正な慰謝料と比べるとはるかに低い水準の慰謝料を提示してくることが通例です。

もし、自分では正当な慰謝料の金額がわからないという場合や、保険会社が提示する金額が少ないと感じる場合は、絶対に示談書にサインしてはいけません。

通院慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

交通事故の通院慰謝料において保険金が提示する金額が正当かどうかの判断が難しいケースがよくあります。交通事故被害者が請求できるのは通院慰謝料以外にも「休業損害」「後遺症慰謝料」「逸失利益」など、複数の項目があります。

この保険会社が提示する慰謝料の妥当性は専門家でなくては判断がつきにくいところです。

リハビリ通院中にもかかわらず保険会社から「治療費打ち切りを迫られている」「示談交渉で揉めている」「正当な慰謝料が把握できない」などの状態なら、交通事故事案に精通している弁護士に依頼することで、獲得できる慰謝料が増額する可能性は高くなります。

弁護士に依頼することで、面倒な手続きや保険会社との交渉など、全てを代理人として行ってくれますので、時間的にも余裕が生まれてきます。

しかしながら、弁護士への依頼費用が気になるという人も少なくないと思います。最近では相談料・着手金無料の弁護士事務所も増えていますし、ご自身の加入する保険に弁護士特約が付加していれば、実質、弁護士費用はご自身の保険会社が全額負担してくれますので、費用面で心配する必要ありません。

交通事故の慰謝料請求において、いち早く弁護士に依頼することが解決への近道です。慰謝料に関する不安が解消できたり、これから何をすればいいのかの指示を受けたりと、多くのメリットが得られます。

まずは交通事故に強い弁護士に相談してみることをお勧めします。

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